書評「ガンプラ開発戦記」



ガンプラ開発戦記

(株)バンダイ模型の元社員とキャラクタービジネス研究家によるガンプラがどのように生まれ、そしてブームを作っていったのかを綿密な聞き取りから書き綴った一冊。

ガンプラが生まれる前の市場環境とバンダイ(模型)の歴史、ガンプラの版権を創通エージェンシーから獲得するあたりの生々しく荒々しい話もあり、一つのビジネスストーリーとして読んでも大変面白い。

当時、ガンダム自体が開始当初は今一つの人気で視聴率一桁台で進み、物語が中盤に差し掛かったところでメインスポンサーの一つであるクローバーがクリスマス商戦の主力をほかの作品に変えていたことは驚き。
一方で、ここでバンダイが、市場の変化を感じ取り、版権を獲得しに動いたわけだが。

「今までの巨大ロボットものテレビ漫画とは違い”本物っぽい”のだ。情報密度のある画面作り、しかも模型業界で王道とされるミリタリー調の色合いが全編に漂っているところに、プラモデル化の可能性を強く感じさせた。」
第2章 ガンプラ誕生夜明け前 P.65

このガンダムが持つ匂いを感じ取り、動くことができたかどうかが市場を作ることができたかどうかの分かれ道だったようだ。

ガンプラ開発真話

こちらも生産と流通周りの話をまとめているようなので、機会があれば読んでみたいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください